2011年8月アーカイブ

嵩はいつもわたしを競馬に連れて行きたがる。「競馬なんて興味ないから」と断っても、「行ってみなくちゃ競馬の面白さは分からない」なんて言って譲らない。どちらかと言うと迷惑だ。

別に付き合っているわけでもないし、友達のつもりもない。ただ、いつも飲みに行く大勢のうちの一人にしか過ぎない。見た目も話し方も好みではないし、強引に誘えばいつかは折れるというのが見え見えでますます行きたくなくなる。

わたしの友達も同じように誘われていたのを見ていたので、彼の手口はよく分かっているのだ。昼間の競馬場なら、雰囲気が明るくて安心させる、という考えなのだろう。本当に見た目も中身も薄っぺらで嫌になる。

競馬はテレビでしか見たことがない。でも馬は大好きだ。小さい頃家の近所には馬の飼育場があって、よく馬を見に行っていた。馬の目はいつも優しくて、少し悲しそうだった。

風になびく鬣がとてもきれいだったのだけは今でも覚えている。あれから15年以上経って競馬男につきまとわられるなんて。

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